とあるアフィリエイターが事業独立を決意した日

はてな

 アフィリエイトと法人経営の話しにおいて言及している通り、アフィリエイトは家族経営の法人の一部門として2010年頃に始めました。全ての作業は自分一人がやりましたし、最初の一年で使ったお金はドメイン取得費ぐらいです。とにかくローリスクを徹底しました。
 
 当時の自分は法人の代表者ではありましたが、名目上の代表者に過ぎませんでした。別にオーナーが存在したのです。アフィリエイト収入の目標を「安定的に月100万円」と設定しましたが、正直なところ達成できるとは思っていませんでした。それまで自力で稼いだ経験は皆無であり、金を稼ぐことについて全く自信がなかったからです。実質的には事務系の単なるサラリーマンだったのです。
 
 その後、いくつかの挫折や停滞期はありましたが、アフィリエイト収入は順調に伸びていきました。そして、ついに2013年頃には、それまでの「本業」を超えるまでに成長したのです。
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 2014年のアフィリエイト年収は3,000万円を超えるまでになりました。ここまで増えると、もはや自分にとってはアフィリエイトが本業です。ですが、今まで従事していた業務はなかなか減りません。次第に、今まで従事していた業務に時間を取られることが苦痛になってきました。
 今まで従事していた業務の大半はやりたくない単純作業である反面、アフィリエイト収入に直結するサイト構築は創造的で作業自体が楽しいです。前者はアルバイトでもできるような業務ですが、後者は自分にしかできない専門的な業務で、しかもコンテンツの充実がアフィリエイト収入の増大に繋がります。同じだけ時間を費やすのであれば、後者を選択するのが経済合理的に正しいですし、何より自分にとって満足度が桁違いに大きいです。
 
 自分でお金を稼ぐようになるまでは、与えられた仕事を粛々とこなすことに抵抗は全くありませんでした。組織の中で生きるサラリーマンとして当然のことだと考えていたからです。
 ですが、自分で稼ぐことができるようになると、その考え方は変わります。人に使われなくても稼ぐことができるのですから、意に沿わぬ指図を受けることが徐々に苦痛になってくるのです。
 
 自分の場合、家族経営の同族会社という、公私の区別を付けることが難しい環境にありました。
 法人のオーナーは自分の親です。少なからぬ給料を長年の間もらい続けていましたし、働く前は養ってもらっていました。それゆえ、アフィリエイト収入が「本業」を超えたからと言って、従来までの業務を断ることは心情的に難しかったのです。
 
 そのようなモヤモヤを抱えながら、意に沿わぬ業務に嫌々従事していましたが、ある日、限界がやってきました。いろいろなことが積み重なった結果、従来までの業務とアフィリエイト関連業務を両立させることが精神的に厳しくなり、ヤル気が極端に低下してしまったのです。それに比例するようにアフィリエイト収入も下がります。
 さすがにこれはマズいと考え、親と腹を割って話し合った結果、従来までの業務を大幅に減らすことになりました。ですが、オーナーである親が素直に受け入れることはなく、自分が半ば強引に押し切った形です。自分的には物凄く楽になりましたが、その反面、オーナーである親は鬱々としたものが増えていったようです。これが2014年後半の頃の出来事です。それからしばらくは、代表者である自分とオーナーである親の微妙な関係が続きました。
 
 2015年3月、とある一連の出来事が、その微妙な均衡を崩しました。その結果、法人からアフィリエイト事業を分離すると同時に、自分は法人の代表者から退き、アフィリエイト事業に専念することになりました。これは、自分と親が共に望み、合意したことです。法人の中でアフィリエイト事業の占める割合が大きくなりすぎたことが最大の要因です。
 それに加え、働く場所も変えることにしました。同一職場で働き続けると、今までのように意に沿わぬ業務が降りかかってくる可能性が高いと考えたためです。働き場所を変えるということは親にとって意外だったようですし、自分にとっても様々なデメリットがあるのでかなり迷いました。ですが、名実ともに独立するには必要なことだと、数日考えた末に決断しました。

 3月後半から4月初旬にかけ、独立に向けた作業を淡々とこなしました。
 サイト譲渡代金の算定根拠や資金繰り、付随する諸契約書の作成や株主総会・取締役会の議事録作成。サイト譲渡に伴なうコンテンツ変更・分割やドメイン移動、サイト運営者表記の変更、ASPの登録情報変更。中でも最後のASPの登録情報変更作業が大変でした。
 数えてみると全部で15のASPと取引があります。それらを一つずつ変更していくのですが、各ASPとのメールでのやり取りが多くなりすぎて、途中から訳が分からなくなりました。そのうち1件は物凄く大変だったし、変更作業が完了したときは精も根も尽き果てた状態でした。

 今週に入り、事務所移転に向けて本格的に動き始めました。今週中(遅くとも来週)に契約を完了させる予定です。

 自分で稼ぐことができるようになって2年ほど経過しましたが、身分的には雇われ社長でした。窮屈であった反面、安定的に給料をもらうことができました。片方では成果報酬の稼ぎで一喜一憂して、片方では安定収入があるといった、経済的にはとても恵まれた環境でした。
 それが今回の事業分割と代表者辞任、事務所移転により、実質的にも経済的にも独立することになったのですから不安もあります。

 事務所移転を含む完全独立を決意した日は3/19です。その前日までは、事業分割と代表者辞任しか考えていませんでしたが、それだけでは不十分だと痛感させられる出来事があったのです。意に沿わぬ業務で貴重な一日が潰れただけでなく、その業務自体が否定されるような出来事が起こったのです。自分にとっては完全な「時間の無駄」となったので、この瞬間何かがキレました。

 今後はアフィリエイトで稼ぐことに加え、公益的なサイトの構築に注力したいと考えています。それが自分の生きがいだと認識しています。そのためには、意に沿わぬ業務、もっと言うと、価値を見いだせない業務に関与したくありません。時間を無駄に使いたくないのです。けれども、自分の場合、親が近くにいると、なかなか難しい。その事実をあらためて突きつけられた出来事でした。

 様々な経験を積んだおかげで若い頃に比べると格段に視野が広がりました。作りたい(作るべき)コンテンツが次々に出てきます。その反面、視力や体力の低下に加え、若い頃に比べると脳細胞も衰えています。
 自分にプログラマーとして残された時間がどれぐらいあるか分かりませんが、可能な限り夢を追いかけていこうと思います。自分の夢は、自分にしか作れないような公益的かつ有益なサイトを少しでも多く作ることです。そして、夢があったからこそ、独立を決意できたと感じます。
 この年齢になっても夢を語れるとは嬉しい限りです。

はてな

6 thoughts on “とあるアフィリエイターが事業独立を決意した日

  1. たむごん

    新しい門出を踏み出されたのですね。
    アフィリエイト執事さんの環境を拝読して、活躍されている方でも、人生いろいろという思いを改めて強く致しました。

    いろいろと勉強させて頂いており、今後の展開がブログでどのように描かれていくのかも楽しみにしております。

    1. 執事 投稿作成者

      コメントありがとうございました。
      人それぞれ様々なものを背負っていますからね。
      今後の展開は、あるのでしょうか。。。

  2. らりぽん

    いつも、ブログ拝見させていただいております。
    アフィリエイト執事さんの決断は英断だと思います。私のような若輩が上から目線ですいませんm( __ __ )m
    これからも、頑張ってくださいね。

    1. 執事 投稿作成者

      コメントありがとうございました。
      先送りしていたことを、ようやく重い腰を上げた、というところです。
      お互い頑張りましょう。

  3. ケンシロウ

    ブログを拝読させて頂きました。

    独立おめでとうございます。

    「作りたい(作るべき)コンテンツが次々に出てきます」

    魂のこもった自然なこの一言にとてもエネルギーを頂きました。

    頂いたエネルギーを生かして、私もサイト作成に集中したいと思います。

    今後もブログ楽しみにしています。

    いつもありがとうございます。

    1. 執事 投稿作成者

      コメントありがとうございました。
      作りたいサイトは結構多いですが、現在ヤル気がゼロに近いです。
      という訳で、自分の場合、まずはエネルギーを補充する必要があります…

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