日本広告業協会が「アフィリエイトに関する発注ガイドライン」を7/19に公表しています。
ガイドラインの「アフィリエイトサイトに掲載される情報の遵守事項」において、消費者を誤認させる以下のものが禁止されています。
- 商品または役務のランキングの表示であって、当該ランキングがアフィリエイトサイト運営者によって恣意的に操作されたもの。
- 広告素材として提供を受けたコンテンツを、アフィリエイトサイト運営者が独自に掲載するコンテンツであると誤解させるような表示。
- アフィリエイトサイトをクライアントのサイトと誤解させるような表示。
- ユーザーのクリックを不適切に誘発するような表示。
- 事実と異なる情報の表示。
- 誇大な表現による表示。
この中で特に「ランキング」については、「掲載を認めてはならないアフィリエイトサイト」において、
「合理的根拠なく商品または役務に順位を付けるランキングサイトには、アフィリエイト広告を掲載してはならない」
と明記されているだけでなく、以下の通り具体的に論及されています。
- 表示されたランキングに矛盾がある場合には、合理的根拠があるとは認められません。
- 媒体社による自社調査に基づくランキングであっても構いませんが、クライアントが自ら作成しているランキングの場合には、それが実証できるものでない限り、合理的根拠があるとは認められません。
- 個人の主観(使用感)に基づくランキングであっても、合理的根拠がないとは言えませんが、個人の主観(使用感)に基づくものであることの明示が必要です。ただし、ランキングの対象となった商品または役務を使用していないのに、使用しているかのように表示した場合は、合理的根拠があるとは認められません。
- ランキングが一定のロジックによって設定されている場合に、当該ロジックに合理的根拠があって、消費者に誤認が生じないのであれば、当該ロジックを開示する必要はありません。
「合理的根拠」という言葉を繰り返し使用していますが、要するにランキングサイトにアフィリエイト広告を掲載する場合、合理的根拠が必要ということです。当り前と言えば当り前のことですが、このようなガイドラインが公表されるのは、当り前のことが守られていないアフィリエイトサイトが多いということに他なりません。実際、アフィリエイト報酬が高い(or アフィリエイト報酬を獲得しやすい)商品・サービスを上位にランキングするサイトをよく見かけます。
非常に残念な現状でありますが、逆に言うと、合理的根拠があるランキングサイトを作り込めば、広告主に評価される可能性が高いということです。これはAdSense広告においても同様だと思われます。
個人的にはアフィリエイト広告がある商品(サービス)だけのランキングサイトが好きでありませんし、このガイドラインが広告主において徹底されると非常に嬉しいです。
ちなみに、このガイドラインを作成した日本広告業協会(JAAA)とは、電通や博報堂、ADKホールディングス(旧アサツー ディ・ケイ)などが役員をつとめる一般社団法人です。