アフィリエイト収入が増加したり、検索結果で上位表示されたりすると、ASP担当者が付くことが多い。サイトに相応しいクローズド案件や特別単価案件を提案してくれるなどのメリットはあるが、デメリットも結構ある。
　
　例えば、以下のような広告掲載依頼だ。
「試験的でいいので、この広告を掲載してくれませんか？　成果が上がらないようなら外してもらっても構いませんから」

　こういう場合に提案される広告案件は、魅力的でないものやコンテンツとの関連性が薄いものが多い。よって、たいていの場合、成果が上がりそうにないと判断して即座に断る。
　そのような広告案件（＝外部リンク）を増やすと、ＳＥＯに悪影響を与える可能性が高い。サイト訪問者にとって役に立たない外部リンクなど、掲載しない方がいいに決まっている。スパム的な広告を掲載することで、検索順位が落ちてしまうのは悲惨の一言である。
　　
　また、以下のような広告掲載依頼を受けることもある。
「特別単価を設定するので、その代わりにページ上の目立つ場所に広告を固定掲載してくれませんか？」
　
　自分の場合、最も収益性の高い広告枠については、原則的にAdSenseを貼っている。ページビューに応じた安定的な収益が見込まれるからだ。アフィリエイトでは、このような安定的な収入はありがたい。最高なのは月極広告だが…
　よって、提案された広告案件の収益が、AdSense収益を上回る見込みがないときは即座に断る。成果報酬型アフィリエイトは収益の保証が一切ないので当然である。
　
　なお、この特別単価と固定枠掲載のセットは注意した方が良い。
　収益性の高い貴重な広告枠を提供した結果、アフィリエイトの発生件数が激増するかもしれない。特別単価だからウハウハ状態だ。
　だが、広告主によっては、露骨に確定率を下げてくることがある。いわゆる調整である。良質な広告枠が、不当に安い値段（最悪の場合はゼロ円）で奪い取られるのだ。
　その結果、バカを見るのはサイト運営者である。恥ずかしながら、自分も一度経験したことがあるが、その時はハラワタが煮えくり返った。
　
　ASP担当者の多くは、サイト運営者の労力やリスクを考慮せずに提案してくる。どれだけ手間をかけ注意深くサイトを運営しているのか、想像力が働かないのであろう。「有力サイトに広告を掲載してもらえば、取りあえずOK。その上で、成果が上がれば万々歳」というスタンスだろうから、仕方がないこととは言え、どんよりした気持ちになってしまう。
　メリットが皆無であってもASP担当者にメール返信しなければならないが、それでも最低数分間は無駄に時間を取られるのだ。サイト作成のテンションが上がっているときに、このようなメールを作成すると、作業意欲が一気になくなってしまうこともある。
　
　あるいは、次のような提案を平気でしてくる。
「このクローズド案件については、まず掲載する全ページについてテストページを作ってもらいます。その上で広告主のチェックをクリアすることが条件です。」
　
　あのー。テストページを作るのって、そんなに簡単なことじゃないんですが。しかも広告を掲載する全ページを作れって…
　例えば、AdSenseを掲載している場合は、テストページから絶対に外さなければならない。不正クリックされる怖れがあるからだ。また、テストページにおいてリンク切れがないように調整しなければならない。自分の場合、ローカルとサーバでは、サイト内リンクのURLを変えているので、これが結構面倒くさい。
　テストページといえどもディテールにこだわる必要がある。それが自分のやり方であり、曲げられないポリシーなのだ。
　
　そうやって複数のテストページを作成し、それらをサーバにアップロードし、アクセス制限をかけた上で、それらのURL等を列挙したメールを書くのって、結構時間がかかる。しかも、それだけやっても広告主が「却下」と言えば、それまで。純粋なタダ働きに終わる。
　仮に承認されても、成果報酬型なので、アフィリエイト収入は一切保証されない。これって、かなり過酷な仕打ちだよな。
　
　それゆえ、そのような面倒な提案は断りたいのだが、信頼しているASP担当者から依頼されると、余程の酷い案件でない限り、取りあえず引き受ける。そこら辺は持ちつ持たれつと、割り切るようにしている。いつの日か、美味しい案件を提案してくれる日が来ることを期待しつつｗ
　
　
　おまけ。
　
　初心者の頃は、ASP担当者にアフィリエイトに関するコンサルタントをしてもらいたいと考えていた。何をどうすれば、アフィリエイトで成果をあげられるか分からなかったからだ。その頃は特別単価よりも的確なアドバイスが欲しかった。
　だが、たいていのASP担当者には、そのような能力はないし、期待してもいけない。アフィリエイトで継続的に稼ぐようになって分かったことだが、彼らは所詮サラリーマン。実際にアフィリエイトで稼いだことがない人間がほとんどだから、アドバイスされても「机上の空論」のものが多いのだ。