2014年5月25日に開催された「AdSense Partner Summit in 東京」に参加しました。Google日本法人が入居している六本木ヒルズの巨大さに圧倒されつつ、有益な話をたくさん聞くことができて満足でした。
以下、当日のセミナー内容メモを、主に自分用に書き起しておきます。
(※11時開始)
A. 開会挨拶
デビット・ヘンダーソン氏(グーグル株式会社 オンラインパートナーシップ カントリーマネージャー)
- ユーザーにフォーカスする。
- その他のものは後からついてくる(使いやすさ、速さなど)。
- コンテンツの見やすやすさ。
- 例:マルチデバイス。
- ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)。
- コンテンツの質や更新頻度。
- 関連記事が適切に表示されているか。
- 記事と広告の関連性が高いか。
- コンテンツリーチ。
- どこまでユーザーに見てもらっているか。
- 全世界の広告市場に占める各国割合。
- パソコン広告:1位アメリカ、2位日本。
- モバイル広告:1位日本、2位アメリカ。
- 日本ではマルチスクリーン対応が必須だと思われる。
- 日本の傾向。
- PV少ない。
- 直帰率低い。
- 滞在時間少ない。
- 上記の日本の傾向から推測できること。
- ユーザーは効率的にサイトを利用している。
- まとめサイト人気の理由の一つではないか。
- コンテンツの海外輸出率。
- 日本は2%。230国中で最低(伸びる余地があるのではないか)
- 香港、フランス、イギリスは50%超。
B. 新時代のメディア
八木加奈子氏(グーグル株式会社 オンラインパートナーシップ 最適化スペシャリスト)
- コンテンツの消費方法は常に変化。
- 昔:家族で団らんしながらテレビを観る。
- 今:家族でタブレットを操作しながらテレビを観る。
1. 新しいコンテンツの形。
- 現在は動画が伸びている。
- 日本経済新聞:新聞媒体から動画媒体へシフト中。
- YouTube:毎月60億時間の動画に接触。
- GLAMOUR:ハングアウトを使った新しいコンテンツや動画広告を配信(新しいパートナーシップの形)
2. 繋がるテクノロジーとユーザー。
- アカデミー賞の司会者によるツイート:300万リツイート。
- アカデミー賞では81%のユーザーがスマホを見ながらテレビを観ていた。
- マルチスクリーンを通じてユーザーと繋がる。
- ハフィントンポスト:モバイルユーザー増加&滞在時間増加。
- 使いやすいマルチスクリーンサイト。
- モバイルサイトが使いやすくないと競合サイトを利用する確率が高まる。
- 使いやすいサイトを別ユーザーに勧める。
- デスクトップユーザーよりモバイルユーザーが多い。
- 60%のユーザーが複数端末を利用。
3. 進化するサイト運営。
- マルチスクリーン:あらゆるサイズのスクリーンを通じてコンテンツを提供。
- 訪問者別に情報提供:カスタマイズされた体験を提供。
- 効果測定による質的向上:新しいコンテンツやパートナーシップの効果測定も必要。
C. ユーザーにフォーカス~中長期的なサイトの成長のために~
石田健介氏(グーグル株式会社 オンラインパートナーシップ 最適化スペシャリスト):広告営業担当
- ユーザーに焦点を絞る。
- Googleが掲げる10の事実。
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 広告主が利益をもたらすが、その先のユーザーが最も大切。
- 今日は広告ではなくユーザーにフォーカスして話す。
1. ユーザーを知る
急速に伸びるモバイル
- 端末出荷数の半分以上がスマホ。
- テレビ・PC・雑誌は接触時間が減っているが、モバイルのみ増えている。
- いつでも、どこでもWebと繋がる。
- 一日2時間スマホを使う。ほぼ一日中使われている。
データを制するものは新時代を制す!
- 自分のサイトに何が起こっているか
- セグメントが重要です。→いくつかに単位分類する
- どのようなユーザーがやて来るのか?→ユーザーを深く知ることで今後のサイト運営にプラス
- 自由自在にAnalyticsでセグメント
- クリックされたAdSense広告:リファー元が良質か否かが分かる
- ユーザーの年齢や性別、興味関心は?:想定していたものとの差異は?
- 例)ファッションサイト運営
- Analytics解析:旅行に興味あるユーザー多い→「旅行に来ていく服」など新しいコンテンツの可能性
- どのトラフィックからユーザーが来るのか?
- モバイルデバイスからのトラフィックは?
- どのページが最もユーザーに見られているか?
どのくらいサイトを使ってくれているのか?
- サイトに戻ってくるユーザーは?
- リピート率の変化を確認する
- マルチスクリーンの対応等の要素
- 訪問あたりのページ閲覧数は?
- 回遊率を競合サイトと比較
- 例えば、関連記事の場所、関連記事の数、関連記事の関連度合を競合サイトと比べる
- 訪問あたりのサイト滞在時間は? 1ページより複数ページ
- どのサイズのスクリーンが直帰率が低いか?
- 端末別に確認。特にスマホ用サイトの直帰率を確認。改善の余地
- ユーザーはどんな経路でサイトを見ている?
- 離脱の多いページを確認
- 想定との違いを確認。
(※ランチ休憩)
2. エンゲージメントを高める
- 一ユニークユーザーあたりのPV増加、滞在時間増加を目指す。
- あらゆるデバイスを通じてエンゲージメントを高める
- 中長期的な収益が目的→短期でないのがポイント
- ユーザー数→新規ユーザーを獲得
- ユーザーあたりの収益
- ロイヤリティ(何度もサイトに訪れてもらう)
- 訪問あたりの深度
- RPM
- マルチスクリーンでのデザインについてリサーチを実施
- 119人、119時間、100サイト
- 当たり前の結果なのだが、それができていないサイトが多い
- 調査結果から判明した10の事実
- 大事なコンテンツは上部に配置し目立たせる
- 検索ボックスは分かりやすい位置に→検索ボックスは、サイト上部に大きく、全ページ同じ位置に配置
- タップを意識したサイズ→スマホは7mm以上の幅が望ましい
- アクションはシンプルかつ最小限に→ユーザーに入力や選択をさせる場合簡単にタッチできるサイズ等(例:Amazon)
- メニューは選びやすく→簡潔で探しやいメニュー表示を心掛ける。(例:価格コム)
- ユーザーが求めているものだけを表示→最初のページでユーザーに選択させ、求めている情報だけを表示
- 画像は大きく表示→ズームしなくてもコンテンツが読めるように、サイズをカスタマイズする
- ワンクリックでホームページに→サイトのロゴを活用
- ロイヤリティを高める施策→最新ニュース、関連記事、ソーシャル機能、メールマガジン購読を活用して、ロイヤリティを高める。
- 読み込みスピードを常に改善する
- 74%のユーザーは5秒以内に表示しないと戻ってこない。
- PageSpeedInsights活用
- ユーザーが何を期待しているのかを常に考える。
3. ユーザーにリーチする
- 様々なデバイスを通じてリーチする
- リッチスニペットの活用
- サイトの情報を検索エンジンに伝える
- 画像や更新日等を検索結果に表示させる
- Google+著作情報
- サイトとリンクさせる。
- 検索結果でコンテンツの存在感を出せる。
- 海外に向けたコンテンツ例
- 四国新聞の盆栽→日本語は少なく、英語が多い。
- ユーザー属性を確認する。
- ユーザーの考え。
- 新規ユーザーの確認方法。
D. サイト運営者様によるパネルディスカッション
1. 下村誠氏 シネマトゥデイ代表
http://www.cinematoday.jp/index.html
- 開始は2004年。紙媒体と別に発信。
- レビューはやっていない→他にやることがあるため
- ポータルサイトやアプリからの流入が半分以上。
- PCは圧倒的にYahoo!ニュースからが多い。関連記事の選択とタイトル付けが重要。膨大なアクセスが影響。リアルタイムでアクセス解析して、関連記事の最適化をはかる。
- スマホが増えた。様々な媒体からアクセスあり。Yahoo!ニュースだけでなく、各種アプリからアクセスが急増。スマホページでは、タイトルと画像しか表示されないので、その2つがとても重要。
- スマホを意識したUI。セッションあたりのPVが少ない。1個の記事を読むのに時間をかけない。関連記事があまり読まれない。→文章が長くならないように調整。
- ニュース:PCは500文字。スマホは300文字(ライターに外注する際、文字数制限)。
- 文字の制限数は、よく読まれたニュースやTwitterで多くリツイートされた記事を分析。長いと読んでもらえない。
- ABテストはあまりやっていない。実際に配置やデザインを変えて、一週間くらいテスト。
- スマホの回遊率1.6~1.7を上げるために、リンク先のページデザインを変更。画面下に置いていた画像を画面上に移動→ユーザーが求めているのではないか
- 去年までのPCメインから変化。→短い記事や画像、動画への要求が強い
- PCよりもスマホの方が、動画向けなのかもしれない。
- 短いばかりではなく、読ませる記事も出していくべき。長い文章のインターフェースを考えていきたい。
- ライブドアニュースやmixiニュースのような要約。ユーザーの立場からはメリットがあると思うが、それだけで終わりになるのでは。
- Yahoo!ニュースからの特別なリンクはもらえない。Yahooで取り上げられる回数が減っている。
- 雑誌系のコンテンツをそのまま載せてもアクセスは増えない。Web向けに工夫する必要あり。
- コンテンツを作るにあたって気を付けていること
- 見出しが一番大事であり、最も気を使っている。PVが伸びた一番の理由であり、Yahoo!ニュースやGoogle検索結果に大きく影響。
- サイト来訪者に「文章を読む力はあまりない」という前提で記事を作成する。分割するなど、できるだけ読みやすくする。
- コンテンツ作成にあたってはキーワードを意識していないが、タイトル作成にあたってはキーワードを意識している。タイトルの最初にキーワードを持ってくる。
2. 松永貴之氏 インテリアハート運営
http://www.interior-heart.com/
- 開始は10年前。建築模型。DIY。
- リアルではやりにくい仮想のインテリア情報をWeb上で提供。
- 3:7で若い女性が多い。子育て世代。
- スピード改善。画像を見せるのがメイン。スマホと相性があまりよくない。画像の圧縮とCSSスプライトで対応。アフィリエイトの画像も小さいものにする。
- スマホ画面で、画像は横にスワイプ可能。400ピクセルの画像。
- 分析ツール。ページスピードの改善がメイン。
- 制作する画像のクオリティを上げたい。→画像検索からが結構多い
- ユーザーのイメージを率先して作れたらいい。
- 第三者的な目線で文章を書き、ユーザーに参考情報として提供したい。
- プレーンのHTMLなので、WordPressなどを活用すれば、より効率的なサイト運営が可能なのではないか。
3. 水口高博氏 Happy Life Style運営
- 開始は2003年。現在、月700万PV。
- 最初はプリントで印刷。そのうち増えてきたのでサイト公開。自宅サーバ。
- コンテンツの内容は悩み解決や向上。
- 65:35で女性が多い。18歳~30歳の女性。80%が検索。お気に入り13%、リンク5%。スマホが全体の70%。
- あえて検索エンジンからの流入を重視。できるだけ個性を出さない表現を心掛けている。
- 昔は文章だけだった。ユーザーから要望を受け、フォントサイズ変更や写真を載せるなど改善。
- ABテスト。ツールを使うのではなく、直接ユーザーにアンケートをとることを優先。
- ユーザーを増やすためには「長く続ける」。ユーザーの声が届いてくる。ユーザーの意見が正しいことが多い。
- 「自分の好き」からサイト始める。ユーザーが嫌がることはしたくない
- ライブドアニュースやmixiニュースのような要約。以前やっていたが、ユーザーに怒られたからやめた。
- プログラミングの知識があれば膨大な時間を節約できる。コンテンツに集中できる。
(※14時10分終了。その後、ワークショップや個別コンサルタントが実施される)
盛りだくさんの内容でしたが、セミナーを通して一貫していたのが「ユーザーの利益を最も大切にする」という姿勢でした。コンテンツ内容の充実はもちろん、マルチスクリーン対応等のユーザビリティー向上、関連する記事や広告を適切に表示することなど、常にユーザー目線で取り組むことの重要さを実感しました。
最も印象的だったのは、「ユーザーが求めているものだけを表示→最初のページでユーザーに選択させ、求めている情報だけを表示」という部分です。確かに文字数を増やしても内容が薄ければ、記事を読むのが嫌になるだけです。
文章を書く際は「コンテンツの充実」=「ひたすら長い文章を書く」ではないことを肝に銘じることにします。
こんにちは、はじめまして^^
時折、サイトを拝見しております。
自分は友人と参加していたのですが、拝見していたサイトの方が、いらっしゃっていたことに驚きました!
運がよければ、朝食やランチで、身近にお話を伺うチャンスがあったということですね。
ストリートビューの自転車などが印象に残っているのですが、Googleグラスを見れると思っていたので残念でした苦笑。
何かの機会に、同席することがあれば、是非よろしくお願いします^^
コメントありがとうございました。
セミナー当日、言葉を交わしていたかもしれませんね。
同席する機会があれば、こちらこそよろしくお願いします。